理学療法士に興味があり、調べていく中で「理学療法士は忙しい!」と耳にした方も多いかもしれません。実際にどのような業務があって忙しいのでしょうか。それでは、理学療法士のお仕事の様子を紹介しながら、忙しさの理由に迫ります。
目次
- 理学療法士の働き方
1.勤務形態
2.休みは取れる?
3.残業時間は多いの? - 理学療法士は忙しいと聞くけど本当?
- 病院に勤務する理学療法士の1日のスケジュールをご紹介!
- 理学療法士は女性でも働けますか?
- まとめ
理学療法士の働き方
<勤務形態>
基本的に理学療法士は、8時~9時頃から17時~18時頃までの日勤の時間帯に勤務していることが多いです。勤務時間は休憩時間の1時間を除き、約8時間程度です。看護師のように24時間ケアを行わないため夜勤はなく、生活のリズムは整えやすいと言えるでしょう。しかし、病院や施設の中には、早番、遅番という勤務形態があるところもあります。
これは、朝の身支度、夜の食事や入浴の場面を評価し、時には練習や指導を行うためです。 自分の生活がやや不規則になり忙しさを感じることもあるかもしれませんが、患者様の実動作場面でリハビリテーションが行えることは利点です。
<休みは取れる?>
休日は、病院や施設によって異なります。施設や病院の休診に合わせて土日が休みの場合や、リハビリテーション病院などでは365日リハビリを行うためにシフト制で休みをとる場合もあります。 365日リハビリを行っているところは、お盆や年末年始の長期休みは取りにくいこともあります。
<残業時間は多いの?>
“時間外労働時間(一人一回あたり) 平均残業時間は医療で53.7分、介護福祉で53.3分であった。”
“時間外労働の内容は医療・介護福祉とも診療録・関係書類の記載が1、2位であったが、3位は医療では診療、介護福祉領域では諸会議であった。”
引用:厚生労働省 医療従事者の需要に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第2回)資料2
1人1回当たりの残業時間は1時間弱ですが、厚生労働省の他の報告によれば、1週間当たりの残業時間は2時間未満のことが多く、労働者全体でみた残業時間と比較しても差はありません。
理学療法士は忙しいと聞くけど本当?
前述したように、理学療法士は日勤帯で勤務することが多く、生活のリズムは整えやすいと言えます。残業時間も全労働者と比較しても、多くはありません。しかし、残業時間の原因となっている書類業務は、施設により内容や量に差があり、書類が多いところでは忙しく感じるでしょう。入退院などで患者様や利用者様が入れ替わる時には書類が多くなる傾向にあります。
また、施設によっては教育目的で業務後に勉強会を実施したり、休日に勉強会に参加することもあります。自分のプライベートな時間を使うので、忙しいと感じるかもしれません。しかし、理学療法士は日々の自己研鑽が必要な仕事です。ワークライフバランスを大事にしながら、無理のない範囲で勉強を続けていくことが望ましいと思います。
病院に勤務する理学療法士の1日のスケジュールをご紹介!
出勤すると、一日のスケジュールの確認や朝礼などを行います。その後、臨床業務が始まります。1日の単位数の平均は以下のようになっています。
“一日あたりの平均担当患者数は、一般病床・療養病床で約 11~13人、回復期リハ病床で約7人であった。平均単位数は概ね18~20単位であった。”
引用:厚生労働省 医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第1回)資料5 理学療法士を取り巻く状況について
1単位は20分であり、例えば1日18単位の場合は、6時間臨床業務を行い、残りの2時間で、会議や書類業務を行います。 1日の診療が終わると、診療録の記載をし、その後退勤となります。
理学療法士は女性でも働けますか?
“60歳までの就業率は、男性は約90%、女性は約80%であった。また、女性では31歳以上から就業率が約80%となるが、それ以降は横ばいである。”
引用:厚生労働省 医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第1回)資料5理学療法士を取り巻く状況について
体力が必要と聞くと女性でも働けるか不安になると思いますが、上記のデータから働き続けることができる仕事であることがわかります。男性の理学療法士のように体格が大きい方の介助は難しいこともあるかもしれませんが、実際に体に触れ治療するため、女性の患者様には同性のスタッフが対応すると心理的抵抗が少ないこともあります。また、排尿や産前産後の体の問題などのデリケートな問題には、女性理学療法士のほうが対応しやすいという側面もあります。自分自身が妊娠や出産をしても、産休や育休、時短勤務などの制度もあり、子育てしながら働くことも可能です。 女性であることの強みを生かし、スキルをつけていくことで、働き続けることが十分に可能です。
まとめ
理学療法士のお仕事は、臨床業務だけではなく書類業務もあり、業務後に仕事をすることもあります。また、プライベートの時間を割いて勉強会に参加することがあることから、忙しさを感じるかもしれません。 しかし、残業時間等は平均的で、他の仕事と比較しても大きな差はありません。さらに日勤帯のお仕事が中心なので、仕事とプライベートの時間を上手く調和しながら働くこともできます。