理学療法士になるためには、実際の現場で「実習」を行うことが必須となっています。病院や施設での実習を通して学ぶことが、理学療法士としての技術と心構えを育てることになるでしょう。
しかし、実際にどんな実習を行うのかわからないと、不安が大きくなって理学療法士になることを躊躇してしまうかもしれません。
そこでこちらでは、理学療法の実習について解説します。 これから理学療法士を目指す方は、ぜひ以下を参考に実習の内容をチェックしてみてください。
目次
- 理学療法の実習の必要性
- 理学療法の実習内容
1.見学実習
2.評価実習
3.総合臨床実習 - 理学療法の実習前に準備しておきたいこと
- 理学療法の実習のポイント
1.あいさつを意識する
2.失敗を経験する - まとめ
理学療法の実習の必要性
理学療法士の資格取得を目指す際には、実習が欠かせないものになっています。理学療法士の専門学校では実習の時間が必ずカリキュラムに含まれていて、修業年限の3〜4年の間に設定されている実務をこなす必要があるのです。
理学療法の実習は、将来的に理学療法士として働くイメージをつけ、実践的なスキルを育むために行われます。
学習した運動学や生理学などの知識を駆使し、動作分析の評価方法を学生のうちから実践することで、資格取得後にスムーズに働けるようになるでしょう。
学校の座学だけでは学べないことが実習で多く得られるので、理学療法士を目指す際には実習への積極的な参加姿勢が重要です。
理学療法の実習内容
理学療法の実習内容は、大きく「見学実習」「評価実習」「総合臨床実習」に分かれています。それぞれの実習をカリキュラムに沿って行い、理学療法士として必要な能力を身につけていくのです。
以下からは、理学療法のそれぞれの実習内容について解説します。
見学実習
理学療法の見学実習とは、その名の通り実際の臨床現場を見学することを目的とした実習です。
理学療法士が病院や施設でどのような役割を担い、どのような働きを求められるのかを見学から学びます。患者さんとの接し方や身だしなみなど、いくつか事前にチェック項目を作っておくのもおすすめです。直接業務に携わることは基本的にありませんが、プロの動きをしっかりと確認し、重要であると思われることは積極的にメモを取りましょう。
一方で、病院や施設の患者さんと話をする機会が作れることはあります。 もし患者さんと接することができた場合を想定して、聞きたいことや確認したいことをまとめておくといいでしょう。
評価実習
理学療法の評価実習とは、実際に患者さんの状況を評価する実習のことです。患者さんの身体の動作状況や社会的・心理的状況を確認し、適切に把握することを目的とします。 実習のプログラムによっては、最後に評価の成果を発表することもあります。
総合臨床実習
理学療法の総合臨床実習とは、患者さんの評価結果に合わせてリハビリの目標や治療のプログラムを立て、それを実践していく実習です。これまでの学習と実習を通して得た知識を活用し、実際の理学療法士の役割を体験することが目的となります。
理学療法士として働くことをイメージしながら、責任を持って実務を遂行することが求められるでしょう。 もちろん総合臨床実習にはサポートがつくため、初めてでも安心して実務に集中することが可能です。
理学療法の実習前に準備しておきたいこと
理学療法の実習に臨む際には、事前に実習先の情報収集をしておくことがおすすめです。
どのような病院・施設なのかをSNSやホームページなどで確認しておくことで、実習のイメージトレーニングを行うことができます。イメージトレーニングは実習時の緊張を取り除くきっかけにもなるので、なるべく多くの情報をチェックしておくことがポイントです。
また、実習にうかがう際には、受け入れ先の病院や施設にあいさつの連絡を入れることになります。その際に実習に必要なものを確認し、当日になって慌てないように備えましょう。
理学療法の実習先は、受け入れ側の都合や定員などを参考に振り分けられます。基本的に同学年、同じタイミングで実習を行います。ただし昨今のコロナ禍にあっては、若干その時期がずれることもあります。 もし先に実習を体験した先輩がいる場合には、実習先の雰囲気を聞いてみるのもいいでしょう。
理学療法の実習のポイント
理学療法士の実習を行う際には、いくつかのポイントがあります。 以下を参考に、何に注意すべきなのかを確認しておきましょう。
あいさつを意識する
理学療法の実習時には、あいさつを意識することが重要です。あいさつはコミュニケーションの基本であり、理学療法士に欠かせないスキルのひとつです。
実習中にあいさつが自然とできるようになるだけでも、大きな成長につながったと言えるでしょう。
実習の最初は何もできなくて戸惑うかもしれませんが、あいさつをするだけでも実習現場を和ませ、担当者や患者さんと良好な関係を作ることができます。 まずはあいさつという基本を、実習のなかで意識していきましょう。
失敗を経験する
理学療法の実習では、失敗を経験することも重要です。失敗は「なぜ失敗したのか」「どうすればよかったのか」と考えるきっかけになり、自己の成長につながります。実習中に失敗することは決して恥ずかしいことではないので、消極的にならないように自分から動いていくことがポイントです。
もちろん、やる気のなさや準備不足による失敗はご法度です。 あくまで努力を前提とした失敗となるように、やる気を持って実習に臨みましょう。
まとめ
理学療法の実習は、将来理学療法士になるために必須の課題です。実習を経験することにより、知識・技術を含めて人間的に大きく成長できるきっかけとなります。
理学療法士になる誰もが通る道なので、この機会に詳細を確認し、実習への意識を高めてみてはいかがでしょうか。